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葬式とお墓のニューウエーブ そのAお墓編
ファイナンシャル・プランナー/FP虎の子相談室 室長 河原 正子
  あなたは「お墓」と聞くとどのようなものを思い浮かべますか?多くの人はお寺や霊園にある昔ながらの和式墓か、あるいは背の低い洋風墓ではないでしょうか。このようなお墓は「一戸建てのお墓」と呼べるでしょう。
  この従来からある一戸建てのお墓は、「家」を主体としており、お墓を守ってくれる“跡継ぎ”が必要で毎年管理費がかかります。これに対し最近は、少子高齢化や核家族化を反映して「個」を主体とした跡継ぎや管理費の要らないお墓――合葬墓や永代供養墓、樹木葬などが注目を集めるようになってきています。
  今回はさまざまなお墓(埋葬法)を紹介します。
(1)個性的なお墓
  一戸建てのお墓には、「○○家先祖代々の墓」という家名を刻んだ家墓が多かったのですが、個性化の波はお墓も例外ではなく、墓石の形態も個性的なものが出てきました。また家名ではなく、好きな文字や言葉、イラストなどが刻まれたお墓も増えつつあります。
  一般社団法人全国優良石材店の会では、新しいデザインのお墓、個性的なお墓、オリジナルなお墓の写真を募集する「全優石ニューデザインお墓コンテスト」を毎年開催しています。今年(第18回)の「ニューデザイン大賞」を受賞したのはこのお墓です。
  お墓の所有者は漢字の研究者だそうです。楽と苦を合わせた創作漢字を中央に、両脇に「楽あれば苦あり」「苦あれば楽あり」、上部に「だから人生は面白い」と刻んでいます。
  このようにお墓の形もお墓に刻む言葉も自由になってきました。最近では「○○家」と刻む人は少なくなり、「夢」「絆」「愛」「やすらぎ」「ありがとう」などの言葉を刻む人が増えています。
  私が感動したのは、あるお墓に刻まれた墓碑銘です。
歌に抱かれて
君は君、我は我
されど仲良き
詩の後には別姓のお2人の名前が刻まれていました。
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