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葬式とお墓のニューウエーブ そのBQ&A編
ファイナンシャル・プランナー/FP虎の子相談室 室長 河原 正子
  個性を重視した新しい葬式やお墓がだんだんと出てきましたが、配慮が足りないばかりにしきたりや宗教上のことなどで不要な軋轢や摩擦が生じることもあるようです。また、故人や遺族の意思を尊重して自由にしてみたいと思う反面、しきたりや宗教、参列者の意識を慮って従来の範疇にとどまるケースもあるようです。そこで今回は、新しい葬式とお墓にまつわる疑問や注意点、変わりダネなどをQ&A形式で紹介します。
葬式の「?」
Q1:菩提寺との関係 私たち夫婦はとくに信仰心もないので、もしも夫か私(妻)のどちらかが先に亡くなったら、夫婦共通の趣味であるクラシックの曲を流す「音楽葬」にしたいと話し合っています。私たちは都市部に暮らしていますが、お骨は地方にある夫の実家のお墓に入ることになるので、実家の意見をまったく無視していいものか迷っています。
A1: 「自分の家は無宗教」と思っていても、実は先祖代々のお墓がお寺の境内にあって自分もそのお墓に入る、なんてことがあるかもしれません。このような場合にはそのお寺が菩提寺になります。菩提寺がありそのお墓への納骨を望まれるなら、その宗教・宗派に則った葬式を行わなければいけません。お寺によっては、新しい形式の葬式に難色を示すかもしれませんので、事前に住職に想いや事情をよく話して、理解を得るようにします。また、ご実家と事前に話し合っておくこともお勧めします。
  どのような葬式でも、家の宗教・宗派・菩提寺の有無を知っておくことは大切なことです。特に親の代で地方から都市部に出てきて故郷が遠くなった人などは、親が元気なうちに宗教・宗派、菩提寺やお墓のことをしっかりと聞いておくことが大切です。菩提寺があることを知っている人も、万一の時のために、菩提寺の名前と連絡先を書き留めておくと安心です。
Q2:葬儀社選び 妻は「私が亡くなったら花いっぱいの花祭壇にしてちょうだいね」と言っていますが、私の周りでは花祭壇のお葬式を出したところはなく、実物を見たこともありません。花祭壇を手掛けている葬儀社はインターネットで探せばいいのでしょうか?
A2: 新しい形式の葬式はどの葬儀社でも同じようにできるわけではありません。個性的な花祭壇を作るには、熟練した技術やそれにふさわしい花を調達できる仕入ルートなどが必要です。また、無宗教葬を従来の形式の葬式しかしたことのない葬儀社に依頼すると、演出などのノウハウがないのであっという間に葬式が終わってしまう場合もあります。
  新しい形の葬式をしたいと思うときには特に葬儀社選びは大切なので、インターネットでホームページを見ただけで決めるのではなく、葬儀社の面接をするつもりで事前相談に臨んだほうがいいでしょう。こちらの希望をよく聞いてくれるのはもちろん、その意図を理解してこれまでの施工例の写真等を提示しながらいろいろなアイディアを提案してくれるような葬儀社を選ぶことが大切です。
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