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働きながら介護を続ける5つのコツ
ファイナンシャル・プランナー 柳澤 美由紀
世界で最も少子高齢化が進むニッポン。昭和33年には1人のお年寄り(65歳以上)を11.5人の働き手(15〜64歳の生産年齢人口)で支えていましたが、平成22年には2.8人まで低下、このまま進むと平成72年には1.3人で1人を支えねばならない見込みです※1。まさに介護は他人事ではありません。読者のみなさんやそのご家族はもちろん、お客さまにも関わることです。本コーナーでは、お客さまから相談されたときに"即戦力”となる情報をお届けしていきます。
  親の介護が必要になったときに、必ずと言っていいほど問題になるのが仕事と介護の両立です。自宅で介護を始めたものの、介護疲れで仕事や自身の健康に影響をきたすようになると、「仕事をやめて介護に専念したほうがいいのだろうか」「残業の少ない仕事に転職すべきだろうか」……などと考えてしまいます。
  でも、介護のために仕事をやめてしまうのは、収入においても、子の人生設計においても最良の選択とはいえません。働きながら介護を続けるコツを5つ、ご紹介します。
(1)「仕事をやめない」と決める
  働きながら介護を続けるコツは「仕事をやめない」と決めること。当たり前すぎて笑っちゃうかもしれませんが、最も重要なポイントです。
  生命保険文化センターの調べによると、介護経験のある人の平均介護期間は4年7カ月。半数以上(57.8%)が3年以上介護している状態です※2。仕事をやめて介護だけの生活を行うということは、この期間のキャリアや仕事の人脈を手放すことを意味します。休職期間が長引けば、老後の年金額や再就職にも影響を及ぼすでしょう。
  迷うことに時間を割くよりも、やめないと決めて、できる準備を実行することが大切です。育児・介護休業法をフルに活用するのはもちろんですが、親の体調不良などで急に休むことになっても業務に支障をきたさないよう日ごろから前倒しで業務を進める、同僚や上司と情報を共有する、などの仕事面での工夫も自然とできるようになります。
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