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介護の経済的負担を抑える「3つの制度」
ファイナンシャル・プランナー 柳澤 美由紀
日本には、親の介護だけに専念できる人はどのくらいいるのでしょうか。仕事と介護、育児と介護、家事と介護……何かと掛け持ちで行うというのは簡単なことではありません。肉体的にも精神的にも疲れがたまりやすいので、介護うつ、介護自殺、介護殺人も珍しくない時代となりました。介護の負担を軽くするには第三者の力(介護サービス)を利用するのが一番だとわかっていても、金銭面で躊躇されている人も少なくありません。今回は介護費用を抑えるためにつくられた3つの公的制度とその活用ポイントを紹介します。
1.3つの制度と在宅介護にかかる7つの費用の関係を整理する
  介護の経済的負担を抑える公的制度には、次の3つがあります。
(A) 高額介護サービス費
(B) 高額医療・高額介護合算療養費制度
(C) 生活困難者に対する利用者負担軽減制度
  しかし、在宅介護にかかる費用すべてにこれらの制度が使えるわけではありません。在宅介護費用は大きく分けると、次の7つに分類されます。
@ 介護保険の介護サービス利用料(1割負担)
A 福祉用具のレンタル料(介護保険対象)
B 介護リフォーム費用(介護保険対象)
C デイサービス(通所介護)などの食費
D ショートステイ(短期入所)などの食費・滞在費
E 介護保険が適用されない介護サービス費
F 介護保険の利用上限額を超えた介護サービス費
  3つの制度と7つの費用の関係は図表1の通りです。
<図表1:在宅介護にかかる費用と負担軽減制度の関係>
  公的制度(A)(B)に関しては、介護保険の1割負担部分(費用@)が対象になります。福祉用具のレンタル料(費用A)や手すり・段差解消などの住宅改修費(費用B)については対象にはなりません。一方、公的制度(C)については、費用@だけでなく、介護保険が使えない費用CDも対象になります。
  どんなときに払い戻しが受けられるかを事前に知っていれば、受け取り損ねることはありません。
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