Home > 医療・介護・相続等の現場 > 親の介護が必要になったら!?

がんばらない介護を支える「ケアマネジャー」選びのコツ
ファイナンシャル・プランナー 柳澤 美由紀
介護保険の介護サービスを受ける場合、私たちはどんなサービスを、いつ、どれだけ受けるのかをあらかじめ決めておきます。このときの指示書にあたる「ケアプラン」を作成するのが「ケアマネジャー」です。要介護者とその家族の暮らしを左右するケアプランだけに、よいケアマネジャーに依頼することがとても重要になります。
実際にあったケースをもとに、ケアマネジャー選びのポイントを紹介します。
  Aさん(40代男性・未婚)は働きながら認知症の母を介護しています。夕方になると母の精神状態が不安定になるので、職場にお願いして16時までの勤務にしてもらっていました。短時間勤務による収入の減少に加えて常に母の身を案じる生活に、精神的にも肉体的にも限界を迎えていました。
  知人の勧めで介護保険を利用することにしたAさんは、ケアマネジャーのケアプランを見て愕然としました。希望していたデイサービスは週2日しか利用できず、送迎時間の関係で期待していた時間よりも早い時間に自宅に戻ってくる内容になっていたからです。これでは現在の暮らしと大差なく、介護サービスの利用料分だけ生活が苦しくなります。
  Aさんはこれを地域包括支援センターに相談。ケアマネジャーを替えてもらうことで、週5日デイサービスを利用でき、かつ正規の勤務時間終了時刻までデイサービスを延長してもらえるようになったのです。Aさんは介護が始まる以前の元気を取り戻し、仕事に専念できるようになりました。
1.所属する事業所の運営母体をチェックする
  Aさんのケースは、当初のケアマネジャーが所属する事業所(居宅介護支援事業所)の運営母体に問題がありました。デイサービス事業を行っていたのですが、そこには利用時間を延長するサービスがなかったのです。ケアプランはケアマネジャーが所属する事業所のサービスでないものも組み入れることができます。しかし、そのケアマネジャーは系列施設の利用に固執していたために、希望に合わないプランになっていたのです。
  残念な話ですが、事業所の系列会社が運営する施設の利用や提携先の介護サービスを中心にケアプランを組むケアマネジャーが多いのは事実です。だったら逆手にとって、利用したいサービスを提供している事業所を探し、そこが運営または提携している居宅介護支援事業所のケアマネジャーにプランを組んでもらいましょう。
  ケアマネジャー選びの第一のコツは利用したいサービスを明確にして、それを実施している運営母体を探すこと。地域包括支援センターに相談したり、介護保険を利用しているご近所さんに聞いてみたり、介護の仕事に就いている友人にリサーチしたりすると、ある程度のあたりを付けることができます。
※ これ以降は会員専用ページです