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エンディングノートを使って「顧客との信頼関係」を築く
ファイナンシャル・プランナー 柳澤 美由紀
生命保険はもしものことがあったときに家計を助けてくれるものです。保険金等による経済的な支援は残された家族の生きる支えとなります。しかし、保険では備えられないものがあります。それは本人の意思の伝達です。病気や不慮の事故で意識不明の重体になった時に延命治療を実施するべきか。認知症などで判断能力が低下したときにどんな暮らしをしたいのか。末期がんで余命宣告されたときに本人に事実を告げていいものか。このような選択を迫られる時などに家族の支えとなるのが「エンディングノート」です。今回はエンディングノートを使った顧客との信頼関係の築きかたについてお話しいたします。
■ エンディングノートの3つのメリット
  エンディングノートは、もしものときのために大切な人へ贈るメッセージなどをまとめた書き込み式の冊子です。2003年に大阪市の高齢者支援団体が発行したのが始まりです。
  エンディングノートを書くメリットは大きく3つあります。
  1.家族が困らない
  2.家族に対する自分の愛情を伝えることができる
  3.費用があまりかからない
  大半のエンディングノートには、
「万が一のときに誰に連絡してほしいのか」
「どんな葬儀にしたいか」
「延命治療についてどのような考えを持っているか」
「認知症などで介護が必要になったときにどんな暮らしをしたいか」
  …などを書く欄があります。ノートを作成することによって自分の意思や希望を明確にすることができるので、さまざまなシーンにおける家族の負担を軽減することができます。
特に、
「延命治療を受けない」
「家族葬でよい」
「海に散骨してほしい」
などの通例とは異なる希望がある場合はノートを活用すべきです。一部の家族に口頭で伝えているだけでは、それを聞いていない他の家族や医師、親戚の了承が得られず、本人の意思を全うできない恐れがあります。
  自分に万一のことがあったときに家族が困らないように書くものなので、それを残すだけで家族に対する想いを伝えることができます。でもせっかくなので、面と向かっては照れくさくて言えない感謝の気持ちや愛情を書き残しておくことをオススメします。そうすることで、家族の悲しみを癒す、グリーフケアとしても役に立ちます。
  エンディングノートはノートと鉛筆があれば作成できるので、費用がほとんどかかりません。市販されているエンディングノートを利用しても500円〜3,000円程度です。
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