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高齢者被害を最小限に食い止める
「クーリング・オフ」と「成年後見制度」
ファイナンシャル・プランナー 柳澤 美由紀
  高齢者の3つの大きな不安「お金」「健康」「孤独」につけこんだ、消費者被害が増えています。独立行政法人国民生活センターによると、2011年度に消費生活センターに寄せられた契約当事者が70歳以上の相談の上位3つは電話勧誘販売、家庭訪販、利殖商法。高齢者は自宅にいることが多いため、悪質業者は言葉巧みに不安をあおり、親切にして信用させて年金・貯蓄などの大切な財産を狙っているのです。悪質業者の被害にあわないように気を付けることは大事なことですが、それと同時に、被害を最小限にとどめる知識と心掛けも重要です。
  今回は、高齢の親御様のいるお客様にお伝えしたい「クーリング・オフ」と「成年後見制度」について紹介します。
■ 70歳以上のトラブルは5年連続増加。ついに15万件に
  全国の消費生活センターに寄せられた契約当事者が70歳以上の相談件数は2007年度の約11万件から年々増加。2011年度には約15万件になり、相談全体の約17%を占めているそうです(図表1)。
  電話勧誘販売(17.3%)と家庭訪販(15.5%)が特に多く、最近増えているのは次に挙げる電話勧誘販売トラブルです。
 
(1)買え買え詐欺 (未公開株や外国通貨、仏像などの架空のもうけ話を立場の違う複数の人間が入れ替わり立ち替わり勧誘する)
 
(2)カニや健康食品などの送りつけ商法 (故人が注文したなどといい、注文した覚えのない商品を代金引換で送りつける)
 
(3)短歌掲載の次々勧誘 (新聞や雑誌などで投稿した作品を見たと出版社を名乗る人間から電話があり、雑誌の掲載料を支払わされる)
  家庭訪販では住宅リフォーム工事の訪問販売トラブルのほか、マグロやカツオの訪問販売や金地金の分割払い取引などが増加しています。いずれにしても、おかしい、あやしい、と思ったらきっぱり断ることが重要ですが、認知症・高齢などに伴う判断力の低下や相手からの恐喝などにより契約してしまうケースも後を絶ちません。親が被害にあったときに被害を最小限にとどめる方法として、クーリング・オフと法定後見制度を使いこなせると安心です。
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