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尿検査
株式会社査定コンサルティング 顧問医 北島 武志
  前回の血圧所見に続いて今回は、診査のもう一つの柱である「尿検査」について説明してみましょう。尿検査は、生命保険の新契約関連の検査として、血圧と並んで古くから導入されてきました。ちょっとした不注意で所見にかなりの差が出ることも少なくなく、被保険者の体調により数値も変動しやすいので、営業職員・お客様共に注意すべきでしょう。
  一般の診査では、尿蛋白・尿糖のチェックが行われます。さらに、人間ドック成績表等では尿潜血・尿沈査検査の項目があります。以下に簡単な個別の注意点を述べてみましょう。
■  尿蛋白
  正常では(−)であり、(+)となるのは異常所見とされます。主要な原因は腎臓の障害です。(+)〜(+3)と程度区分し、(+)の数が多いほど腎機能障害が高度とみなされ、新契約の引受査定では条件体〜謝絶体と判断されます。
  (+3)ともなると腎臓障害の程度が大きく、生命予後が不良と考えます。この(+)の程度差は、ほぼ病態の重症度に比例するものと考えられ、超過死亡指数が増加しているとみなされます。もちろん(+)と出ても、すぐに深刻と思われない例も少なくありません。例えば、重労働者や運動選手などで、きつい仕事や練習の後などには蛋白尿が出ることもあります。従って生命保険等の診査を受ける際には、出来るだけ体の疲れの無い状態で受けるように注意をすべきでしょう。
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