Home > 医療・介護・相続等の現場 > 新・契約不成立を減らすための医学知識

気管支喘息
株式会社査定コンサルティング 顧問医 北島 武志
  日本では、気管支喘息が近年増加していると言われています。昔は、いわゆる「持病」と言われ、難治性の病気とされてきました。現在では、一種のアレルギー疾患による呼吸困難症との見方が定着し、その治療方法も確立されつつあります。それでも根本的な治療というよりは、呼吸困難(気管支狭窄)の対症療法に近いもののようです。
  アレルギーの原因としては、小さいダニ類の排泄物によるとの見方が固まってきたようです。また、乳幼児期の過保護もこの病気の要因とも言われています。発症は幼少時からが多く、これを「小児喘息」とよびます。
  成人期以降に発症する「成人気管支喘息」は、呼吸困難という病状は小児喘息と同じでも、病気の原因・予後が異なります。同じ「喘息」とは言うものの、保険医学的にもかなり区別して考える必要がありそうです。

■  小児喘息
  幼少期に発症する気管支喘息です。大事に(過保護に)育てられてきた子供に多く、近年かなりの増加傾向にあるようです。私事になり恐縮ですが、筆者も4〜5歳時に発症し、23歳頃に治癒するまで苦しめられました。学校も小・中・高のほぼ1/3は休んだくらいで、子供心にも呼吸困難で何時死ぬかと思うほどでした。でも10歳余りのころから、それまでの薬物(エフェドリン内服・ボスミン注射等)に加えて、副腎皮質ホルモンの吸入剤が出てきてなんとか23歳で発作がなくなり、後期高齢者の今日まで到達できました。
  このように、小児喘息は発作に対する対症療法(特にステロイド吸入)でしのぎ、身体が大人になってしまう20歳超になれば治癒する(これが完治かは元患者としては懸念が残りますが)ケースが多いようです。それまではアレルギーの元から遠ざかる(ダニの巣となりやすい毛布などを避ける等)・ストレスを避ける・季節の変わり目等に注意し、発作には対症療法でしのぎ、発作がなくなれば保険医学的にはあまり心配ないでしょう。
※ これ以降は会員専用ページです