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「悪性新生物」という用語
株式会社査定コンサルティング 顧問医 北島 武志
  「癌」という疾患がわが国の死因の主たるものになって久しくなり、「癌」は恐い病気であるという常識ができあがっています。もちろん、その通りではありますが、保険会社も加入希望者も、もう一度「癌」について考えることが必要かもしれません。

■  「癌」と「悪性腫瘍」
  現在、一般には「悪性腫瘍」をすべて「癌」としてマスコミ等もそのように使われることが少なくありません。しかし医学用語としては、「癌」とは悪性腫瘍の一部を指しての言葉であり、「癌」以外にも悪性腫瘍は数多く存在します。そのため近来では「癌」・「その他の悪性腫瘍」をまとめて「悪性新生物」と称されるようになってきたようです。
  狭義の「癌」とは、上皮細胞の悪性化したものを指し、肉腫などは別の悪性腫瘍なのですが、どうも現在では医療現場でも広義に「癌」として一括されている傾向があります。よって同じ悪性と言われても、その発生組織も異なるものが多く存在するのが当然で、研究・治療の分野、さらには生命保険の危険選択分野でもきわめて複雑・多岐の考えで対処しなければなりません。例えばAという薬がある癌に効果があったとしても、他の癌には無効ということも当然のことかもしれません。
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