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現在、医学的には、
上皮性悪性新生物=癌
非上皮性悪性新生物=肉腫・白血病・その他多数
と大別されます。昔から、「癌は中年以降に多く、リンパ管経由で転移しやすい」、「肉腫は若年に多く、血管経由で転移しやすい」と言われています。またこれ以外に嬰児(えいじ)にも先天性の悪性腫瘍が少なくなく、幼児癌として一つの好発年齢ピークがあります。これら幼児期・若年期の悪性新生物をくぐり抜けて、中年以後の癌年齢となるわけで、罹患数から言えば最も多いのは中年以降の癌です。
ですから癌は恐い病気には違いないのですが、一種の加齢(aging)疾患とも考えられますから、ある程度は致し方ないともいえます。若年者の致命的疾患の方がもっと恐いはずです。癌の治療法が確立されても日本人の寿命はごく少ししか延びませんが、結核を下火にしたように、若年の致命的疾患(例えばAIDS)を解決できればその何倍も寿命が延びるはずです。
現在、生命保険医学関係でもアフリカ・南アジアで癌の罹患数は少ないのに、欧米・日本ではぐんと多いのが問題視されることもありますが、これは社会環境の進化を考えれば当然でしょう。というのも、アフリカ等では癌年齢になるまでに感染症などで死亡する人が多いからです。これは戦前の日本と同様の社会環境であるからと考えれば不思議ではなく、アフリカ・南アジアもそのうち欧米・日本に近づいてくるでしょう。
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