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お客さまががんにかかった、ということを知った時、
まずセールスパーソンがすべきこと
ファイナンシャル・プランナー 黒田 尚子
この連載では、自らもがん体験者であるFPの黒田尚子さんに、セールスパーソンとして知っておくと役立つ知識や保険をはじめとした経済的な側面など、エピソードを交えながらがんにまつわるお話をご紹介いただきます。
私たちがん体験者は、患者やその家族を「がんサバイバー」と呼ぶことがあります。これは米国で生まれた新しい生存の概念で、がんとともに生ある限り人間らしく、自分らしく生きるという意味が込められています。あなたのお客さまががんと診断されたとき、あなたはどう感じましたか? そしてあなたはそのお客さまに何をしてあげられるでしょうか?
●  保険のセールスパーソンにがんの知識が必要な理由
  がん告知を受けたがん患者は、「もう保険には入れない」と考え、現在加入中の保険の給付金ばかりに目が向きがちです。
  もちろんすみやかに保険請求に応じることはセールスパーソンの重要な役割。しかしその上で、専門的かつ的確なサービスの提供やがん情報をお伝えすることは、がん患者であるお客さまにとって非常に有益であり、セールスパーソンに対する信頼性が増す好機です。
  このようにして培った信頼関係は、患者ご本人だけでなく、そのご家族やご親戚、知人、友人と大きく広がってゆくはずです。
  1981年以来、日本人の死亡原因の第1位であり、2人に1人ががんに罹患する時代だからこそ、がんに強いセールスパーソンになることが、継続的なセールスにつながります。
●  告知後の「セカンドオピニオン」を勧める
  お客さまががんになったとき、病気のこと、仕事やお金のこと、家族や人間関係のことなど、患者や家族全体にさまざまな影響や問題が出てきます。
  第一に考えなければならないのは、がんという病気について――「どこの病院でどのような治療を受けるか」という問題です。今やがんは完治する病気。だからこそ最初の治療がとても重要なのです。
  そこでお客さまに接する機会の多いセールスパーソンであれば、告知後の「セカンドオピニオン」(以下SO)を勧めていただきたいと思います。SOは、「今の治療法が自分にとって最善なのかどうか」を判断する基準となり、安心して治療を受けるための有効な手段です。
  また、例えば乳がんのように診断の難しいがんの場合、ほかの専門医の意見を聞くことは、医療事故を防止するためにも非常に重要です。SO先の選び方としては主治医、患者会、友人等からの紹介やインターネットで検索する方法が一般的ですが、自社商品の付帯サービスとしてSOを取り扱っている場合は、積極的に活用しましょう。
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