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がん患者に「先進医療特約」は必要か?(前編)
ファイナンシャル・プランナー 黒田 尚子
  今年6月に北海道出張に行ったときのこと。札幌在住のがん友と久闊を叙しながら、情報交換をした際、話題にのぼったのは、2014年春に稼働予定の「北海道大学病院陽子線治療センター」についてでした。
  彼女は3月に北大病院で開催された陽子線治療のフォーラムにも参加し、聴講者の熱気や関心の高さに圧倒されたといいます。隣のがん患者らしき女性からは「これを待ちわびていた」という呟きが聴こえてきたそうです。
  たしかに、これまで北海道には、重粒子線治療や陽子線治療が受けられる医療施設はありませんでした。私自身も、セミナーなどで先進医療特約の話をすると、お客さまから「北海道ではどうせ受けられないし、必要ありません!」と断言されたこともあるほどです(もちろん、これらだけが先進医療ではないのですが…)。
  さらに今年6月には、九州初となる重粒子線治療施設の「九州国際重粒子線がん治療センター(愛称サガハイマット)」(佐賀県)が開院。8月から前立腺がんに対する治療を開始し、現在179人が治療の予約済みだそうです。
  このような重粒子線治療や陽子線治療を受ける人の心強いミカタである「先進医療特約」について、今回と次回の2回にわたり、がん患者にこの特約が本当に必要かどうかを考えてみます。
●  先進医療特約を付加する意味とその限界
  そもそも「先進医療」がどのようなものであるかは、保険のセールスパーソンである皆さまにはご紹介するまでもないでしょうから、ここでは省略させていただきます。
  まずは、先進医療特約が必要かどうかを検証する上で、この特約を付加する意味(メリット)とその限界(デメリット)を考えてみましょう。
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