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「くまがやピンクリボンの会」代表、患者会について語る@
ファイナンシャル・プランナー 黒田 尚子
  医師からがんという病名を告げられたとき、不安に感じることは多いはずです。同じ病気を持つ仲間に相談したり、聞いたりしたいこともあるでしょう。そんなとき力になってくれるのが「患者会」です。その多くは、患者や家族、遺族が立ち上げた会ですが、病院内の患者会や患者を支援する団体もあります。
  今回は、2008年5月に設立された「くまがやピンクリボンの会」代表の栗原和江さんに、がん患者会設立の目的やおもな活動、患者会選びのポイントなどについて伺いました。
●  熊谷市の乳がん検診率50%以上を目指して!
黒田:栗原さんが代表を務められる「くまがやピンクリボンの会」では、設立の目的として、地元・熊谷市の「乳がん検診率アップ」を挙げておられますよね?これは他の患者会に比べて特徴的だと思うのですが、何かきっかけなどがあったのでしょうか?
栗原:はい。やはり自分自身が乳がんの告知を受けるまで、検診を一度も受けたことがなかったという反省ですね。それと当会のメンバーで小学生と中学生のお子さんを遺して炎症性乳がんで亡くなった40代後半の方がおられたのですが、一番はじめに行った近隣の病院では、ただの皮膚炎だと診断されたんです。ほかにも、マンモグラフィ検診を受けて、がんと診断されなかったにも関わらず、半年後には多発性乳がんが見つかった方がいるなど、検診を受ける病院を選ぶことの大切さも痛感しました。
黒田:たしかに誤った診断を受けて手遅れになった患者さんのお話は聞きますね。
栗原:ですから、セミナーなどでは必ず、「乳がん検診で病院を受診する場合には、『日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)』(※)のAランクドクターがいる病院を選びましょう」と声を大にしてお願いしています。
黒田:精中機構というのは、マンモグラフィ読影医師などの認定制度を行っているところですね。
栗原:そうです。私は、自分が乳がんになるまでドクターや検査技師にそのようなランク付けがあるなんて、まったく知りませんでした。主治医である亀田メディカルセンターの福間医師から、「Aランクドクター以外では10%の見落としがあるんだよ」と教えていただいて、しっかりとしたドクター、しっかりとした医療機器が整っている病院へ行くべきだということを、これまでの自分の実体験から学び、それを皆さんに訴えています。
黒田:一般の方々は、罹患前の栗原さんと同じく、お医者さんにランク付けがあるということを知らない方がほとんどでしょう。マンモグラフィ検診の効果が発揮されるためには、高度な撮影技術や読影力が不可欠だということを、多くの皆さんにわかっていただきたいですね。
栗原:がんについては、早期発見、早期診断、早期治療が大前提だと思っています。そのためにも、私たちは検診の大切さをお伝えし、地元熊谷市の乳がんの検診率が少しでも引き上げられるよう活動しています。
※NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構は、日本乳癌検診学会を中心とした検診関連6学会で構成され、マンモグラフィ検診の精度管理における活動を行う。精中機構では、一定の講習を受講し、試験に合格(A・Bランク)した人を検診マンモグラフィ読影医師または撮影診療放射線技師・医師と認定する制度を設けている。
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