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働きながらのがん治療最前線  前 編 
〜がんと共に働くお客さまへのアドバイス〜
ファイナンシャル・プランナー 黒田 尚子
  医療の進歩や医療行政の変化は、入院日数の短期化や入院から外来治療への流れを作り出してきました。とりわけ抗がん剤治療においては、副作用を抑える薬剤の開発などによって、今や多くの医療機関では外来治療が中心となっています。それに伴い最近の医療保険やがん保険は、通院保障を手厚くしたタイプなどが主流になりつつあります。
  このような医療の変化は、仕事を持つがん患者にも無関係ではありません。がんの種類やステージによってはがん治療が外来でも可能なわけですから、仕事をしながら、がん治療を続ける人も増えています。その反面、がんに罹患したことを理由に仕事を辞めてしまうケースも少なくないようです。
  今回は、がんと共に働くお客さまに対するアドバイスについて考えてみましょう。
● がん患者の3割が病気を理由に離職している
  ある意味、がんは‘細胞の老化現象’によって発生するものですから、高齢になれば罹患しやすくなるといえます。とはいえ、新しくがんに罹患する人の1/3は、15歳から64歳のいわゆる「生産年齢」の人々です。
  さらに、定年年齢の引上げや再雇用の義務化など雇用環境の変化によって、がんを発症するリスクの高い高齢者の就労者が今後も増えてくることは、容易に予想できるでしょう。
  ところが、東北薬科大学の濃沼信夫教授の調査(*1)によると、がん患者の3割が病気を理由に離職を経験しているそうです。
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