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がん対策情報センター 若尾文彦センター長が語る【前編】
〜知っておきたい「がん情報サービス」の活用法について〜
ファイナンシャル・プランナー 黒田 尚子
  インターネットの検索サイトなどで、‘がん情報’と入力すると、まずトップに出てくるのが、「がん情報サービス」のウェブサイトです。
  「がん情報サービス」は、がん患者やそのご家族はもちろんのこと、がんに関心のある一般の方々、医療従事者や関係する業務に携わる人などに対して、がんについて信頼できる、最新の情報をわかりやすく提供しています。私自身も、がん患者やそのご家族の方にがん情報の入手先として、優先的にお勧めしている情報源のひとつです。
  今回は、この「がん情報サービス」を運営する国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾文彦センター長に、保険のセールスパーソンが知っておくべきがん情報サービス活用法に関する話をお伺いました。
―がん対策情報センター(以下「情報センター」)設立の経緯を教えてください。
若尾 :  情報センターは、2006年10月に設立されました。がん対策というのは、もともとがん患者の方々の声から生まれたものです。2000年頃からがん医療に対する患者やそのご家族の不安の高まりと信頼できるがん情報提供の要望が強まり、それを受けて2005年に厚生労働省が「がん対策推進アクションプラン」を策定しました。このプランの「がん情報提供ネットワーク」を具体化するものとして、2006年8月に全国のがん診療連携拠点病院に「相談支援センター」が設置され、情報発信の中核機関として「がん対策情報センター」が国立がんセンターに開設されました。
         ※   「がん対策推進アクションプラン」(2005年8月)…国民・患者のがん医療に対する不安や不満解消を推進するとともに、現場のがん医療水準の向上と均てん化を図るため、がん対策に係る「がん情報提供ネットワーク」の構築を推進。
―情報センターはどのような役割を担っているのでしょうか。
若尾 :  情報センターの役割は、がん情報の普及と全国どこでもがんの標準的な医療を受けられるといった、医療技術等の格差の是正を図るための対外支援活動を行うことです。
がん統計情報、各種がんの情報、療養情報、医療機関の情報などがんに関するさまざまな情報を分析・整理した上で、がん患者さんやそのご家族、一般国民の皆さんに対して、わかりやすく提供すること。さらに、正しい情報が必要な方に迅速に伝わるための普及活動や、全国425施設あるがん診療連携拠点病院などの医療機関に対する診療支援や医療従事者に対する各種研修、たばこ政策研究などの活動も行っています。
来年1月からスタートする「全国がん登録」のシステム開発を行う「全国がん登録データセンター準備室」も情報センター内に設けられています。
         ※   全国がん登録…2013年12月に成立した「がん登録推進法」に基づき、日本でがんと診断されたすべての人のデータを国で1つにまとめて集計・分析・管理するしくみのこと。2016年1月から始まる。
[プロフィール]
若尾 文彦(わかお・ふみひこ)
がん対策情報センター センター長
【所属】:国立がん研究センター
【専門分野】:がん情報、医療情報学、画像診断学
【経歴】:
1986年3月    横浜市立大学医学部卒業
1988年6月    国立がんセンター病院 放射線診断部 レジデント
1992年7月    国立がんセンター中央病院 放射線診断部 医員
2006年10月    がん対策情報センター センター長補佐併任・情報提供・診療支援グループ長併任
2010年12月    がん対策情報センター 副センター長
2012年3月    現職
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