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NPO法人「がんと暮らしを考える会」賢見卓也理事長と、
がん患者への支援の在り方を語る【後編】
ファイナンシャル・プランナー 黒田 尚子
  今回は、がん患者さんとご家族が安心して暮らすための支援体制をサポートする活動を行うNPO法人「がんと暮らしを考える会」の理事長・賢見卓也さん(以下、「がん暮」)との対談の後編です。
―保険の現物給付についても関心をお持ちだそうですね。
賢見 :  2006〜2008年くらいに、大学院に通っていたんです。そこで研究していたのは、生命保険のリビングニーズと損害保険のアシスタンス会社についてでした。
損害保険の場合、海外旅行保険ならトラベルアシスタンスの会社、自動車保険ならロードアシスタンスの会社があって、バッテリー上がりや鍵の閉じ込みなど様々なトラブルに対処してくれますよね。
このしくみがとても良いと考えて、たとえば、病気になったタイミングで、(なんらかの会社などが)間に立って、いろいろな取次や、これまで自分でやらなくてはいけなかったこともやってくれる。それが当たり前になれば、がん患者さんやそのご家族にとっては助かるのではないかと思いました。
―なるほど、それは便利ですね。もちろんそれは、加入している民間保険のさまざまな手続きに加えて、いわばこれまで申請主義だった高額療養費制度や傷病手当金などの代行サービスも含めて、ということですよね?
賢見 :  そうです。それに制度だけでなくて、(がん患者やそのご家族は)精神的に参ってしまう方が少なくありません。ですから、心理カウンセラーの手配などもできるようにして。ほかにも家族やペットの世話など、いろいろな調整を1〜2週間で入院前に整えてくれると楽なのではないかと考えたわけです。

<賢見卓也理事長のプロフィール>
1999年兵庫県立看護大学卒業。医療費問題、サービスの質について学ぶため、日本大学大学院グローバルビジネス研究科に入学。「末期がん患者における生命保険の有効活用」について研究し、経営学修士(MBA)を取得。
社会保険労務士・保険会社職員・FP・税理士・弁護士など医療・金融・法律などの専門家を集め、がん患者の経済的な問題の解決を図る研究会を発足し、のちにNPO法人化。「がんと暮らしを考える会」を設立、理事長に就任し現在に至る。
 
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