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がん患者への「外見ケア」の必要性
〜国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター長 
野澤桂子先生が語る【前編】〜
ファイナンシャル・プランナー 黒田 尚子
  がん医療の進歩によって抗がん剤や放射線治療、ホルモン治療など、がん治療を行いながら、仕事を継続する人が増えています。その一方で、これらの治療は、脱毛、顔の赤み、皮膚の湿疹、身体のむくみなど、外見の変化や症状を伴うことがあり、このことに悩む人は少なくありません。お客さま、またはそのご家族などで不安に感じたりつらい気持ちを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
  国立がん研究センター中央病院では、こうした悩みに対する情報提供や相談などの支援を行うため、2013年度に「アピアランス支援センター」を新設。同年7月からさまざまなプログラムや相談支援をスタートさせています。
  今回は、同センターの野澤桂子センター長に、なかなか聞けないがん患者さんの外見ケアの現状と必要性について伺いました。
―「アピアランス」(appearance)とは、一般的に、顔つき・容貌・印象を意味します。がんに罹患して、手術や抗がん剤、ホルモン剤などの薬物療法、放射線治療を行うことで、身体の変化や症状が現れ、それによって仕事や学校など社会生活への影響が生じたり、これまでの生活スタイルの変更を余儀なくされたりすることがあるわけです。
しかし当然ながらまずは、がんを治すことが最優先。これらの外見に対するケアやサポートというのは、後手に回っているという印象を受けます。がん患者さんにとって、外見ケアはどれほど必要なものなのでしょうか?

[プロフィール]
野澤 桂子(のざわ・けいこ)
国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター長。1983年立教大学法学部卒業。2004年臨床心理士資格取得。「外見と心理」をテーマに目白大学大学院心理学研究科博士課程を修了し2007年博士号取得(心理学)。がん患者の闘病や社会復帰を心身両面からサポートするためのプログラムを研究中。山野美容芸術短期大学美容福祉学科教授を経て現職。
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