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がん患者への「外見ケア」の必要性
〜国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター長 
野澤桂子先生が語る【後編】〜
ファイナンシャル・プランナー 黒田 尚子
  がん患者さんへの調査によると、性別を問わず、治療に伴う「外見の変化」が患者さんに苦痛をもたらし、脱毛など、その症状によっては、頭痛や腹痛などの「身体の痛み」よりも辛く感じることがわかっています。
  まさしく<外見は社会との接点>であり、外見ケアを行うことで、罹患する前の自分を取り戻し、自分らしく前向きな意欲が出てくるのです。
  前回に引き続き、野澤桂子先生から、アピアランス支援センターの活動について、また、お客さまである患者さんに、セールスパーソンが外見ケアに関して、アドバイスできることはどんなことなのかについてお話を伺いました。
―黒田:国立がん研究センター中央病院では、がん患者さんの外見への悩みに対する情報提供や相談などの支援を行うため、2013年度に「アピアランス支援センター」を新設。現在は、さまざまなプログラムや相談支援を行っておられます。具体的に、どのようなプログラムを実施していらっしゃるのでしょうか?
野澤:アピアランス支援センターでご用意しているプログラムの1つが「コスメティックインフォメーション」です。毎週火曜日と木曜日の13時から行っていて、ウイッグやメイクなど外見の変化への対処方法をお知らせしたり、外見ケアに関する情報が盛りだくさんです。ほかにも「男性限定の外見ケア相談」や「個別相談」ですね。それから、入院中の患者さんのベッドサイドに直接行くことも多いです。
―黒田:入院中の患者さんに対してベッドサイドでどんなことをされるのでしょうか?
野澤:長期入院患者さんのストレス緩和です。具体的には、スキンケアやハンドケアなど。やはりストレスがたまっておられますから。感情的にいうと、「リラックス」と「緊張/怒り」というのは共存できないものなのです。
リラックスしていただくことで、ほかのネガティブな感情が和らいだりする効果があります。
[プロフィール]
野澤 桂子(のざわ・けいこ)
国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター長。1983年立教大学法学部卒業。2004年臨床心理士資格取得。「外見と心理」をテーマに目白大学大学院心理学研究科博士課程を修了し2007年博士号取得(心理学)。がん患者の闘病や社会復帰を心身両面からサポートするためのプログラムを研究中。山野美容芸術短期大学美容福祉学科教授を経て現職。
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