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乳がんサバイバーによる患者セッションレポート
in第24回日本乳癌学会学術総会
ファイナンシャル・プランナー 黒田 尚子
  今年6月16日から18日にかけて、東京ビッグサイトにて、第24回日本乳癌学会学術総会(以下、「本学会」といいます)が開催されました。
  今年のテーマは、「真の個別化医療を求めて」です。乳がんに関する学会は、検診、画像診断、外科治療、腫瘍内科と多岐にわたり、多数存在していますが、これらの医療者が一堂に会して、総合的な学会が行われるのが本学会です。そして高い専門性を有しながらも、患者も医療者向けのプログラム(一部除く)に参加できるようになっています。
  とくに今回は、新しい試みとして、17日、18日にかけてサバイバーが中心となって行う患者プログラムが実施されました。私も、乳がんサバイバーかつFPとして、また実行委員として患者セッションに登壇しました。
  そもそものはじまりは昨年10月中旬。私の主治医である、がん研有明病院の乳腺センター乳腺外科部長の岩瀬拓士先生から、一本のメールをいただいたこと。
  「乳がんサバイバーにとって、役に立ち、喜んでもらえるような企画を検討しています。黒田さんも良かったら、企画会議に参加しませんか」
  これが、本学会の実行委員を務めることになったきっかけです。
■  初めての試み〜サバイバー主体のペイシェント・アドボケイト・プログラム〜
  当初から本学会では、サバイバーの参加がひとつの課題として取り上げられていました。
  普段あまりなじみのない方にとっては、学会というと専門性が高く、難しいことを発表し合っている場、という印象があるかと思います。実際、通常の医学会では、医療者がメインであり、どちらかといえば患者プログラムは、学会のおまけ的な位置づけ。学会本体とは切り分けて行われるのがほとんどです。やはり、医学的知識のない患者が、学会に参加する意味やそのリスクを危惧する意見があるのでしょう。
  しかし、すでに海外の医学会では、患者団体や支援団体による参加型のペイシェント・アドボケイト・プログラム*が開催されています。日本でも、患者の視点に立った医療の在り方を検討する必要性や、その実現のためには、医療者と患者会等の連携が欠かせないという認識が広がりつつあります。
ペイシェント・アドボケイト・プログラム(PAP):がん患者やその家族、がん患者会、支援団体、がん対策に携わる患者や支援者等を対象にした、がん患者等によるプログラムのこと。
  お客さまに様々な情報をお伝えする立場にあるセールスパーソンの方々にもそうした現状を知り、お役に立てていただければと考え、本学会をレポートしたいと思った次第です。
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