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尿路結石
株式会社ASSUME 代表取締役/査定医 牧野 安博
  七転八倒の痛み・・・そんな経験はしたくありませんが、尿路結石による痛みは、女性ではお産の次、男性では最も激しい痛みのひとつと言われています。私の友人もこれによる激痛に襲われて、深夜、救急車を呼んだことがあるそうです。また2〜3年に1回の割合で尿路結石に対する衝撃波治療を受け、手術給付金を受け取る人もいるようです。
  ちなみに、衝撃波治療とは“体外衝撃波結石破砕術”という手術ですので(詳しくは後述)、保険加入の際には告知が必要です。
  尿路結石は、今では10人に1人、年間15万人以上が罹患する国民病といえます。今回は別名「痛みの王様」、尿路結石について解説します。
■ 疾病概念・原因
  尿路結石とは、腎臓から尿道までの尿路管腔内に結石が生じた状態を言います。結石が留まっている場所によって、腎結石・尿管結石・膀胱結石・尿道結石と名前が変わります。   原因はいろいろありますが、カルシウム結石によるものが8割〜9割を占めます。動物性たんぱく質・糖質などの過剰摂取により、本来は腸内で結束して排出されるシュウ酸とカルシウムが腎臓で結晶化し、結石となります。ホウレンソウはシュウ酸を多く含む代表食材なので、例えば「ホウレンソウとベーコンのソテー」などは、美味しい一方で、結石を作るベストアイテムとなってしまうわけです。   日本人の食の欧米化が進んだことにより、近年、尿路結石患者は増加傾向にあります。これは生活習慣病の一つと言えるでしょう。ほかにリン酸・尿酸などによる結石もあります。さらに原発性副甲状腺機能亢進こうしん症・クッシング症候群など内分泌疾患が原因で、二次的に結石が作られてしまうこともあります。ちなみにクッシング症候群とは、副腎腫瘍・副腎形成・下垂体腺腫などにより、コルチゾールなど副腎皮質ホルモンの分泌が過剰になる疾患で、症状としては満月様顔貌・高血圧・尿路結石などの症状が現れます。
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