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角膜炎
株式会社ASSUME 代表取締役/査定医 牧野 安博
  少女漫画の主人公といえば、大きく黒目がちの瞳、長くカールしたまつ毛が特徴的ですが、ここ数年、そんな主人公にも負けない瞳とまつ毛の女性が増えてきました。
  十数年前まで日本女性のまつ毛のおしゃれと言えば、ビューラーでカールし、マスカラで濃く・長く見せる程度だったそうですが、最近はつけまつ毛やまつ毛パーマ、まつ毛エクステンションなど手法が増え、瞳はカラーコンタクトレンズの出現によって色や黒目部分の大きさが変わり“目力”を得ました。しかしその結果、角膜感染症患者が急増中のようです。
  今回は角膜感染症(角膜炎)について解説します。
■ 疾病概念・原因
  角膜とは、いわゆる黒目の部分のことで、眼球の前方最表層にある透明な球面状の膜を指します。この膜組織は五層から成り立っています。一番表面の角膜上皮は涙に覆われていて細菌やウイルスなどの侵入をブロックしていますが、そこに傷ができると細菌・ウイルスなどが付着しやすくなり、感染症を起こします。これを角膜感染症や角膜炎とよびます。
  角膜感染症には、細菌が原因の細菌性角膜炎、真菌が原因の真菌性角膜炎、ヘルペスウイルスによるヘルペス角膜炎、微生物が原因で起こるアカントアメーバ角膜炎などがあります。これら感染症は生命予後にはほとんど影響を及ぼしませんが、角膜炎の中には梅毒・リウマチ・真菌症・自己免疫疾患といった全身性疾患の一症状として発症することもあります。
  まつ毛美容・コンタクトレンズ装用によって増えているのは「細菌性角膜炎」「アカントアメーバ角膜炎」で、コンタクトレンズを清潔に保たずに装着したり、剥がれた人工まつ毛やまつ毛をつける際に使用する接着剤が眼に入ることが原因で感染するようです。また、ドライアイの人も涙のバリアがない状態になり、角膜炎を起こしやすいので注意が必要です。
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