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筋萎縮性側索硬化症
(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)
株式会社ASSUME 代表取締役/査定医 牧野 安博
  「ALS 筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)」。最近、この病名を耳にされた方も多いのではないでしょうか?バケツに入った氷水を頭から被ってSNSにアップするか、寄付をするか、または両方するかを選び、自らが行った後は次の挑戦者を指名する「ALS アイスバケツチャレンジ」という活動は、アメリカから世界に広まり、アメリカ元大統領やブラジルのサッカー選手、日本でも医学者や歌舞伎役者などが次々にチャレンジしてニュースで取り上げられました。
  ALSという病気を多くの人に知ってもらいたい、研究費を集めたいという趣旨で始まりましたが、その方法に賛否両論が出て、それがまたニュースに。病気や飢餓に苦しむ人のことを考える、また、チャリティーのあり方について考える、いい機会になったことは間違いありません。今回は筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis; ALS)について解説します。
■ 疾病概念・原因
  筋萎縮性側索硬化症は、徐々に全身の筋肉の萎縮が進行する原因不明の難病です。「筋萎縮」といっても、筋ジストロフィーのような筋肉そのものの病気ではありません。運動神経が侵されて、脳から出される運動の命令が各部位の筋肉に伝わらず、このために使われない筋肉が委縮し、筋力が衰えていってしまう病気です。「側索」とは脊髄の左右側面部分のことで、脳から末梢までの運動神経の通路であり、ALSで亡くなった方の側索が病理学上硬くなっていたことから側索硬化症の名前がつきました。
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