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変形性関節症
株式会社ASSUME 代表取締役/査定医 牧野 安博
  「死ぬまで元気に過ごしたい」誰もが思うことでしょう。「寿命」とともに近頃耳にするのが「健康寿命」という言葉です。ただ長生きするのではなく、健康で日常生活に制限のない時間をいかに長くするかが、今、注目されています。
  介護や支援が必要となった原因をみると、1位:脳血管疾患(21.5%)、2位:認知症(15.3%)、3位:高齢による衰弱(13.7%)、4位:関節疾患(10.9%)であり、そのうち要支援Tとなる原因の第1位に関節・腰痛疾患が挙げられています(厚生労働省調査資料より)。関節疾患の中には関節リウマチのほか、変形性関節症なども含まれます。今回は高齢化とともに急速に増えていくと考えられている、変形性関節症について解説します。
■ 疾病概念・原因
  変形性関節症とは、さまざまな原因により関節の軟骨がすり減って、関節に痛みや腫れが生じ、それが続くことで関節の変形をきたす疾患です。症状のある部位によって「変形性股関節症」「変形性膝関節症」「変形性脊椎症」などと呼ばれます。明らかな誘因が認められない原発性(一次性)と、外傷や発育障害、関節炎などにより変形が生じ、その不適合によって発生した続発性(二次性)に分けられます。
  原発性では年齢や肥満、関節の動かし過ぎなど、さまざまな危険因子が重なって発症すると考えられており、男性では重労働従事者に多くみられ、女性では閉経後のエストロゲン減少などによる肥満の影響が指摘されています。続発性では先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全の後に発生するものがほとんどで、そのほか関節リウマチや骨折などの怪我の後に発生するものがあります。
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