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不眠症
株式会社ASSUME 代表取締役/査定医 牧野 安博
  「春眠暁を覚えず」の“春”とは3月上旬のことです。冬眠していた動物たちはまもなく目を覚まし始める時期ですが、人間にとっては布団の中の暖かさはなんとも心地よく、この句のように、いつまでもまどろんでいたくなります。
  睡眠時間に関係なく、本人が眠気を感じる間もなく眠りに落ちてしまうナルコレプシーという過眠症がある一方、最近増えてきているのが眠りたくても眠れない不眠症です。今回は現代病の一つとも言える不眠症について解説します。
● 疾病概念・原因
  脳には「覚醒の中枢」と「睡眠の中枢」があり、どちらかが働いているともう片方の働きが落ちる仕組みになっています。しかし、不眠症の場合は、ストレスや不安、緊張により、覚醒の中枢の働きが落ちづらくなり、眠れなくなってしまいます。
  覚醒の中枢の働きを促してしまうものとして、アルコールやカフェイン、夜でも昼間のように明るい照明、テレビ・パソコン・スマートフォンの使用などが挙げられます。また、昼寝のし過ぎや夕方を過ぎてからの昼寝も夜の眠りを妨げます。医療従事者や介護士、運送業のドライバーなど、時差ボケや交代制勤務など生活リズムを整えるのが難しい職業の方も、良質の睡眠をとるのが難しいでしょう。うつ病、睡眠時無呼吸症候群、夜間頻尿、アトピー性皮膚炎などの疾患からくる二次症状としての不眠もあります。
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