Home > 医療・介護・相続等の現場 > 相続コンサルティングの“実際”

地籍調査と「筆界未定地」
FP EYE 澤田朗FP事務所 代表/日本相続士協会 理事 澤田 朗
  2015年9月掲載の記事でお伝えしました、クライアントが所有する土地の地籍調査が2015年12月初旬に行われました。当日は私も同席させていただきましたので、どのようなことが行われたのかをお伝えするとともに、クライアントの隣地の方の、地籍調査終了後のお話についてもお伝えしたいと思います。
■  境界の確定
  まずはクライアントの土地について簡単にご説明します。神奈川県の郊外、都心まで急行で1時間弱の比較的利便性の良い場所で、自宅の他に駐車場として貸している土地を合わせて約800uとなります。土地の南北にはそれぞれ市道・県道が走り、土地の東西は他人の所有する土地と接していますので、今回は東西の土地との境界を確定することになります。
  午前中に近隣の土地の所有者が集まり、役所の担当者と測量業者から調査についての説明があった後に、当事者と役所・測量業者が1組となって1箇所ずつ確認・了承を得ながら、それぞれの境界について確定していきます。
  ちなみに、クライアントは当日有給休暇を取り調査に立ち会いましたが、やむを得ず土地の所有者が立ち会いできない場合には、委任状を作成することで代理人に立ち会ってもらうこともできます。土地の所有者でなければ親族の方でも委任状が必要となります。配偶者・子等の親族以外の人に立ち会ってもらう場合には、不動産の知識を持った信頼できる方(普段からお付き合いのある専門家やその方から紹介された不動産鑑定士等)に依頼したほうが良いと思います。
  役所の担当者は事前に測量を行い、それぞれの土地についてある程度境界を把握したうえで、「この土地の境界線・境界杭はここで良いですか?」といった確認作業が主となります。しかし、所有者が「ちょっと待った、ここの境界はこっちじゃない?」というような異議を唱えた場合には、あらためて当事者同士で確認をしながら境界を確定していきます。
※ これ以降は会員専用ページです