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広大地とは何か? あらためて確認してみる(その1)
FP EYE 澤田朗FP事務所 代表/日本相続士協会 理事 澤田 朗
  「広大地」という言葉をご存知でしょうか? 昨年12月から今年にかけて3件の土地評価を行いましたが、いずれの案件も「この土地は広大地に該当するのか?」という判断が必要な土地に遭遇しました。その都度さまざまな状況を考慮したうえで該当するのかを判断していくのですが、どのような土地が広大地に該当し、あるいは該当しないのでしょうか。判断するには色々な土地を見て事例を積み重ねていくことが必要ですが、ある程度の判断基準を知っていれば、明らかに広大地に該当する・該当しないということはわかるようになると思います。今回は広大地に該当するまでの判断基準について、国税庁の通達等をもとにお話をしていきます。
■  「広大地」の判断基準
  国税庁の「広大地の評価」によると、「広大地とは、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で、都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものをいいます。ただし、大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものは除きます。」と定義づけています。
  「広大地」を判断する基準としては、大きく分けて次の3つがあります。
   ・  大規模工場用地やマンション適地に該当せず
(戸建て住宅を建てることが最も有効な利用方法だと考えられ)、
   ・  原則として500u以上の広大な土地で
   ・  その土地を戸建て用地に区画割する場合に開発道路を入れる必要があるか
  上記の基準にあてはまる土地については「広大地」に該当し、次の計算式によって相続税評価額を計算します。
【計算式】
   広大地の評価額 = 正面路線価 × 広大地補正率(※) × 地積
※広大地補正率=0.6 − 0.05 × 地積/1,000u
  例えば、路線価:200,000円/u 地積:800u の土地が広大地に該当する場合、広大地補正率は0.56となり、評価額は200,000円×0.56×800=89,600,000円となります。
  何も減価要因がなく、路線価のまま評価をした場合には160,000,000円となりますので、評価減の効果は非常に大きいといえます。
参考  : 国税庁「財産評価基本通達24-4」
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