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広大地判定の基礎資料としての開発想定図の作成
FP EYE 澤田朗FP事務所 代表/日本相続士協会 理事 澤田 朗
  過去2回にわたって「広大地」を取り上げてきましたが、広大地として認められるかどうかで土地の評価額は大きく変わり、また広大地として認められるケースと認められないケースがあり、その判断も難しいことをお伝えしてきました。
  そこで今回は、広大地判定を行ううえで必要な開発想定図について、作成手順の概要や注意点などを解説します。
■  現地調査、測量、周辺地域の調査を行う
  まずはじめに、該当地はもちろん周辺地域の調査を行い、広大地として判定できるかどうかを確認します。
  「広大地とは何か? あらためて確認してみる(その2)」の最後にお伝えした「開発想定図」とは「該当地を戸建分譲開発するとしたらこのようになります」と、該当地を広大地として認めてもらうために相続税の申告の際に提出する資料のことで、以前は添付が必須でしたが平成16年からは必ずしも添付の必要が無くなりました。
  とは言っても、開発想定図が無ければ広大地として判定する根拠に乏しく、否認される可能性も高くなってしまいますので、相続財産の中に広大地として評価をしたい土地がある場合には図面の提出は必須と考えます(逆に図面を提出しないで広大地として判定をしている専門家はいないと思います)。
■  各自治体の「開発指導要綱」等を入手する
  次に、各自治体のホームページや開発指導課(自治体によって名称は異なります)で入手する開発指導要綱(こちらも自治体によって名称が異なります)ですが、要綱の中には、戸建開発を行ううえでの様々な決まり事が記載されています。
  例えば、該当地をいくつかの区画に分割して戸建開発をする時の「最低敷地面積」については70u・120u等、自治体によって面積の差はありますが、いずれも最低限この面積以上に区画割りをして、該当地の開発を行う決まりとなっています。各自治体が一定の面積以上で戸建開発を行いなさい、という決まりを定めているということは、この「最低敷地面積」が広大地に該当するか否かを判定するフローチャートにある「その地域における標準的な宅地の面積」という解釈ができます。
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