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「更正の請求」の依頼が入りました
FP EYE 澤田朗FP事務所 代表/日本相続士協会 理事 澤田 朗
  「更正の請求」の手続きについては前回お伝えしましたが、ちょうどタイミング良くと言ってはおかしいのですが、前回のコラム掲載後にクライアントから「更正の手続き」の依頼が入りました。今回は、更正の手続きを依頼されるまでの流れと、現在までの進捗状況をお伝えしたいと思います。
■  損保営業の方からのご紹介
  今回のクライアントは、損害保険の営業をしている方からのご紹介です。紹介者が相続税の話の中で、クライアントに一度払った相続税を還付できる制度があると伝えたところ、興味を持たれたようでこちらへ橋渡しをしていただきました。
  クライアントに話を聞くと、自分よりもかなり多くの資産を相続した知人の相続税が相当少なかったらしく、どうしてそんなに相続税が少ないのか疑問を持っていたとのこと。その知人の方がどのように相続税の申告をされたかはわかりませんが、聞いたところによると相続税額は数十万円だったそうです。
  次の相続の時にはどれくらいの相続税がかかり、遺産分割はどのように行うのかは不明ですが、とりあえず知人の方の今回の相続は、税負担の面では成功だと言えます。
■  複数の土地で評価方法の間違いが…
  クライアントはそもそも「更正の請求」という言葉自体を知りませんでした。そこで、まずはどのような制度なのか、どのような流れで手続きを進めるのかといった説明を行いました。また、複数の不動産を所有しているので、
・土地の評価は一筆ごとではなく相続発生時の利用区分ごとに行うこと
・簡易測量を行い謄本上の地積と現状の地積の差異を確認すること
・様々な減額要因を検討してできるだけ相続財産としての評価額をさげること
・先に行った申告書の内容によっては相続税が還付できない可能性があること
等を説明し、ご理解・ご納得いただいたうえで、業務委託契約を結びました。
  契約締結後、相続税の申告書をお預かりしてその内容を確認したところ、明らかに評価の方法が間違っている土地が数ヵ所見つかりました。
  相続税の還付額は現状では明言できませんが、更正の請求をする価値はあると判断し、クライアントにその旨を伝えたうえで、現地調査・役所調査に進むことにしました。
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