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せっかく作った自筆証書遺言を無駄にしないために
佐川京子行政書士事務所 代表/ファイナンシャル・プランナー 佐川 京子
  生前に遺言を作成したのに全く無意味だった…ということにならないよう、気をつけたいものです。今回は遺言を作成する際に起こり得る事例を紹介いたします。
■  我が家だけは大丈夫という思いを捨て、遺言を作ることに…
  3年前に妻を亡くした門倉俊郎さん(仮名、71歳)は、囲碁仲間や親戚から相続でもめた話を立て続けに聞くことがありました。彼らの相続の話を聞いていると、相続でもめるのは、お金のあるなしではないようでした。
  俊郎さんは一人っ子だったためか、親の相続のときはもめることはありませんでしたが、子供が3人いるので、財産はそう多くはないけれど、もめるかもしれないと気になってしまいました。我が家だけは大丈夫だと思いたい俊郎さんでしたが、それは幻想かもしれないと思いなおし、遺言を作ることにしました。
  思い立ったら吉日ということで、俊郎さんは本屋に行き遺言の書き方の本を買ってきました。本を読んで俊郎さんは、自筆証書遺言と公正証書遺言で迷いましたが、公正証書遺言は手数料がかかるのでやめることにしました。自分の財産は、調べてみると、自宅は時価で約1,300万円、預貯金1,500万円、債券300万円、あとは、生命保険300万円がありました。
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