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Case1
妻が働きながら夫を介護できるように、
デイサービスや訪問介護を活用
福祉ジャーナリスト 安藤 啓一
  【介護サービス利用者プロフィール】
状  態 80代前半の男性、脳卒中の後遺症で片マヒ(右半身)がある。一人での食事が難しい。ベッドからの起き上がりも介助がいる。判定:要介護4。
ケア方針 夫婦二人暮らし。妻が仕事などで留守の日中は一人で在宅。妻の介護負担を減らしながら、可能な限り自宅での生活を続けたい。
在宅ケアの費用 介護保険の自己負担額(目安):¥27,000(限度額:¥30,600)
■ 脳卒中で要介護になる
  西日本の県庁所在地に暮らす坂本圭介さん(82歳・仮名)は地元の不動産会社を定年退職をしてからしばらくは友人の経営する小さな広告代理店の仕事を手伝っていました。二人の息子さんたちは独立して、それぞれ大阪と広島で家庭を持ち暮らしています。今は10歳年下の奥さんと二人暮らしです。年に何度か、息子夫婦が孫を連れて帰省するのが一番の楽しみでした。
  そんな暮らしが、3年前の冬に一変します。朝起きてトイレに行った坂本さんは突然意識を失い倒れました。となりの洗面所にいた奥さんがすぐ異変に気づき、救急通報して搬送され、脳卒中と診断されました。
■ 老老介護で暮らし続けるために
  坂本さんは一命は取りとめたものの、右半身に麻痺が残りました。退院したら再び夫婦二人の生活になりますが、入院前と退院後では何もかもが違います。坂本さんは自分の筋力で座位(座った姿勢)はかろうじて保てます。けれども衣服の脱ぎ着や食事といった生活動作で不自由をしています。
  日中、奥さんは仕事で留守になるため、坂本さん1人です。そこで介護サービスを使って生活の手助けをしていくことにしました。また奥さんの介護負担を減らすことで、夫婦が安心して暮らしていけるように支援していくことも考えています。そこで奥さんは地域包括支援センターを訪問してケアマネジャーを紹介してもらいました。介護認定を申請すると要介護度は4でした。
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