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緑内障
株式会社ASSUME 代表取締役/査定医 牧野 安博
  前回解説した白内障と並んでよく知られた眼疾患に緑内障が挙げられるでしょう。白内障は手術により予後が良好であるのに対し、緑内障はある程度進行を抑制することはできますが、不可逆的です。両目の視力を失うと高度障害保険金が支払われることとなるため、保険会社は眼科疾患に敏感にならざるを得ないのが実情です。今回は日本では失明原因第一位である緑内障について解説します。
■ 疾病概念・原因
  緑内障(glaucoma)とは、視神経が損傷される病気で、眼圧が高くなった結果生ずると考えられています。緑内障の病気が進行してしまうと視力が回復不能となるため、昔から失明する病気の1つとして恐れられています。ちなみに眼圧の基準値は10〜21mmHgで、平均14〜16mmHgとされています。
  緑内障には、閉塞隅角緑内障と開放隅角緑内障の2つの型があります。正常な眼では角膜と水晶体の間にある房水が絶えず生成、排出され、その均衡を保っています。閉塞隅角緑内障は房水の出口にあたる隅角が虹彩によって塞がれることで排出が困難となり、房水がたまり眼圧が上昇します。
  開放隅角緑内障では房水流出口である隅角は広く開いていますが、排水口である線維柱帯が目詰まりしていて、房水が流れにくくなり眼圧が高くなることが原因です。線維柱帯が目詰まりする原因には、コラーゲンや異常な蛋白質の蓄積、線維柱帯の構成細胞の減少などがあります。
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