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鉄欠乏性貧血
株式会社ASSUME 代表取締役/査定医 牧野 安博
  最近、なぜだか疲れやすい、疲れがとれない、ふらふらする。そんな症状があっても、「歳のせいかな」で済ませていませんか。健康診断を受けている方は「貧血」の項目を見てみましょう。去年より数値が下がっているかもしれません。今回は貧血の中でも患者数が最も多い、鉄欠乏性貧血について解説します。
■ 疾病概念・原因
  肺で取り入れた酸素を全身に運ぶ役割をもつヘモグロビンは赤血球の中に存在し、このヘモグロビンを造るのに必要不可欠なのが鉄です。生体内の鉄は、消化管上皮や皮膚から約1mg/日失われ、喪失した分を食物から摂取・維持しています。鉄欠乏性貧血は、鉄の欠乏により赤血球のヘモグロビン合成が低下することにより起こる貧血です。
  鉄欠乏性貧血の原因としては、ダイエットや偏食による鉄分の摂取不足、胃・十二指腸潰瘍や憩室炎などの慢性消化管出血、痔出血などが多く、女性特有では子宮筋腫や月経過多などの性器出血、出産による失血などがあります。成人男性や閉経後女性の鉄欠乏性貧血では、胃がんや大腸がんなど悪性腫瘍が原因でおこる場合がありますので注意が必要です。
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