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胃ポリープ
株式会社ASSUME 代表取締役/査定医 牧野 安博
  前回は大腸ポリープについて解説しました。健康診断で「ポリープ」と指摘されても、ほとんどの場合、がん化しやすい大腸ポリープほど恐がらなくていいのが胃ポリープです。
  今回は胃ポリープについて解説します。
■ 疾患概念・原因・疫学
  胃ポリープとは、胃壁から内腔に突出した粘膜の隆起性病変の総称です。多くが集団検診で発見されます。
  胃ポリープは以下に分類されます。
分 類 特  徴 疫 学
胃底腺
ポリープ
胃上部の胃底腺領域より発生する3〜5mmの小さいポリープで、粘膜の萎縮を伴わないことが多く、放置してもよいことが多い 女性に多い
胃過形成
ポリープ
ピロリ菌や粘膜の萎縮と関係し、加齢に伴い増大する。集団検診の発見率は1%程度だが、大きくなると出血や一部悪性化の危険性もあるため、1cmを超えたら内視鏡的に切除が勧められる 30歳頃から増加
胃腺腫性
ポリープ
内視鏡検査の1%でみつかる5〜10mm前後の扁平隆起性病変で、良・悪性の境界病変。大きくなるとがん化しやすいため、内視鏡的切除の適応となる 男性に多い
  全体的に高齢者に多いことから、原因は細胞の遺伝子の変異も考えられていますが、まだよくわかっていません。ヘリコバクターピロリ菌の除菌で消失することから、ピロリ菌との関連も疑われています。
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