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下肢静脈瘤
株式会社ASSUME 代表取締役/査定医 牧野 安博
  昨年、スウェーデンの研究チームの発見から、立っている時間が長い程、身体の若さが保たれる、座り続けること自体が人間の寿命を縮める可能性があるということがわかりました。健康への関心から、老若男女問わず熱心に運動をする人が増えていますが、そこまで積極的に運動しなくても、立っているだけで健康に良いというのです。それを受け、立ったままでも仕事ができるよう、高さが変えられる机が導入される会社もあるとか。
  しかし、ある疾患に限っては立っている時間が長い人の方が座っている時間が長い人より患者数が多いものもあります。今回解説する下肢静脈瘤もその一つです。
■ 疾患概念・原因
  血管には動脈と静脈があり、全身を巡って心臓に戻る血液は静脈を通ります。この静脈には体の深部にある深部静脈と、体の表面付近にある表在静脈があります。静脈には血液の逆流を防ぐための弁と呼ばれるドアがあり、下肢では血液が重力に負けて下へ逆流しないようにドアを閉めるのですが、表在静脈の弁が壊れると脚の下の方に血液が溜まり、脚の表面がこぶのように盛り上がってしまいます。これが下肢静脈瘤です。
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