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骨粗鬆症
株式会社ASSUME 代表取締役/査定医 牧野 安博
  骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の鬆という字は、料理で「す(鬆)が立つ」という時に使われ、熱し過ぎて気泡が出来てしまうことを言います。根菜類が食べ頃の時期を過ぎて、芯の辺りがスカスカになることを「す(鬆)が入る」とも言いますね。骨粗鬆症はその字のとおり、骨が粗くスカスカになる疾患です。高齢の女性に多い疾患であることはご存知かとは思いますが、若い人や男性にも起こりますし、寝たきりの原因になりますので、予防には生活習慣に注意が必要です。今回は骨粗鬆症について解説します。
■ 疾患概念・原因
  骨粗鬆症とは、主成分がコラーゲンなどのタンパク質である骨基質と、カルシウムやリンが主成分である骨塩の比が一定のまま、骨量が減少した状態をいいます。骨に鬆が入った状態になり脆くなるため、わずかな衝撃でも骨折を起こしやすくなります。
  骨粗鬆症は、加齢や閉経に伴うホルモンバランスの変化などを原因とする原発性骨粗鬆症と、病気や薬剤の影響により起こる続発性骨粗鬆症とに分けられますが、大部分は原発性骨粗鬆症です。
  骨は1年間で20%程度代謝しています。骨量は20歳代までの成長期にピークを迎え、徐々に低下します。骨量の減少の原因としては、加齢・ホルモンバランスの変化・カルシウムやカルシウムの吸収を助けるビタミンDなどの栄養不足・運動不足・日光浴の不足・遺伝的要素などが挙げられます。
  続発性骨粗鬆症の原因となる疾患には、副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患、関節リウマチ、動脈硬化、CKD(慢性腎臓病)、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、糖尿病などが考えられています。また薬剤では、ステロイド性骨粗鬆症が有名です。
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