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食中毒
株式会社ASSUME 代表取締役/査定医 牧野 安博
  毎年8月は厚生労働省によって「食品衛生月間」に定められています。夏場は、気温・湿度が上がり、細菌の発育にとってよい条件となることから、細菌性の食中毒が多く発生する季節です。食中毒というと飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日の家庭の食事によって引き起こされることもあります。今回は食中毒について解説します。
■ 疾患概念・原因
  食中毒とは、食べ物や飲み物・手に付着した細菌やウイルスなどが体内に入り、嘔吐、腹痛、下痢などの健康障害を起こすことをいいます。原因となる食品は腐敗と違い、味にも匂いにも変化がなく食べても異常に気付かないのが特徴です。
  食中毒の原因となる物質は化学物質から自然毒まで様々ですが、主な原因は細菌とウイルスです。さらに細菌が原因となる食中毒は、大きく「感染型」と「毒素型」に分かれます。
  感染型は、食品中の細菌を食べることで体内に入り、腸の中で増殖し食中毒を起こします。代表的な細菌はカンピロバクターやサルモネラ菌で魚介類や食肉、鶏卵などに多く見られます。一方、毒素型は、食品中で繁殖した細菌から発生した毒素を食べることによって食中毒を起こします。代表的な細菌は黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌などで、おにぎりやサンドイッチ、加工された穀物食品で発症するケースが多くみられます。
  ウイルス性の代表的なものはノロウイルスでカキや貝類で感染しやすく、ほぼ毎年冬に流行しています。
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