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第4回
『家族信託』の具体的な活用事例 2
司法書士宮田総合法務事務所 代表司法書士 宮田 浩志
  前回、家族信託の具体的な活用事例の一つとして、子供のいない地主さんの相続・事業承継対策の事例をご紹介いたしました。今回は、また別の視点から、知っておいて頂くとお客様へのご提案の幅が広がりそうな具体的な事例についてご紹介したいと思います。
■  障がいを持つ子の“親なき後”をサポートする福祉型信託
  高齢者の財産管理における“認知症対策”で家族信託を活用するのが最も典型的ではありますが、実は、障がい者の生活を家族信託と成年後見制度とを組み合わせて、生涯にわたりサポートを実行できるような仕組みにするご相談も少なくありません。社会的弱者を守るために活用する、いわゆる“福祉型信託”と言われている分野です。
【事例】
  山田太郎さん(80)は、障がいのある長男・肇さん(44)との二人暮らしです(太郎さんの奥さま、花子さんは昨年他界しています。享年78)。
  太郎さんは、自分が面倒をみられなくなった後の一人息子の肇さんの生活を心配しています。また、肇さんは先天的な知的障害により、遺言書を書けるだけの理解力は持っておりません。太郎さんは、自分と肇さんが亡くなった後に残った資産があれば、それを肇さんがお世話になっている障害者施設を運営する社会福祉法人に寄付したいと希望しています。
  ≪信託設計≫
委託者 太郎さん
受託者 大二郎さん
受益者 @太郎さん A肇さん
信託監督人 高橋司法書士
信託財産 自宅及び大半の金融資産
信託期間 太郎さん及び肇さんの死亡
残余財産の帰属先 社会福祉法人
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