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法定後見と任意後見、その手続きを正しく理解しよう!
司法書士法人コスモ 代表社員 山口 里美
■  制度スタートから16年
  高齢社会に向け、「自分らしく生きること」を支える制度として、平成12年4月に、『介護保険制度』と『成年後見制度』が同時にスタートしました。平成24年12月末時点では、要介護認定者数は550万人以上であるのに対し、成年後見制度利用者数は16万6,289人と、認知症高齢者数462万人の約3.6%の利用のみでした。しかし最近、成年後見の申し立て件数は年々増加しています。直接お客様からご相談された際に、正しい知識と情報で対応できるよう、いま一度、「成年後見制度」を整理してみましょう。
  元気であれば、自分の周りのこと、自分の大切な財産のことを、自分自身で自由に決めることができます。ところが、認知症、知的障害などでこの「判断能力」が不十分となった場合、そのことで不利益を被る可能性があります。
  そこで、判断能力が十分でない方を保護する制度として「成年後見制度」が生まれました。制度を支える理念として、ノーマライゼーション(高齢者や障害者であっても特別扱いをしないで、今までと同じような生活をさせようという考え方)、自己決定の尊重という理念と、本人保護の調和が図られています。したがって、単に財産を管理するにとどまらず、本人の生活を支える身上監護が、成年後見人に課されているのです。しかし、日常生活に必要な買い物をする、本人の身の回りの世話をすること自体は後見人等の仕事ではなく、そのようなことをしてくれる人を手配することが、成年後見人等の仕事となります。
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