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「法定後見制度」を活用し、高齢者が抱えるリスクに備える!
司法書士法人コスモ 代表社員 山口 里美
■  法定後見制度のおさらい
  既に判断能力が衰えている方に対する支援制度である「法定後見」。その法定後見制度は、3つの種類に分類されると前回お伝えしました。本人の判断能力が全くないとされる「後見」。判断能力が著しく不十分、つまり時々はしっかりしている場合の「保佐」。判断能力が不十分な場合の「補助」の3種です。この3つの中のどの類型に該当するのかは、家庭裁判所が判断します。
  超高齢社会では、判断能力が衰えると、様々なリスクを抱えることとなります。実際の事例から「備え方」をご説明しましょう。
■  事例1 相続放棄をするのに後見人が必要?
  Aさんは57歳でアルツハイマー型認知症を患った男性です。3年ほど前から物忘れがひどくなり、勤務先の直属の部下を見ても、誰かわからなくなるほどで、次第に社会生活を送ることができなくなりました。日常生活においても、家族の判別がつかなくなり症状が重くなる一方で2年前から入院しています。追い打ちをかけるように、Aさんの姉が交通事故で亡くなり、Aさんが姉の財産を相続することとなりました。ところが、調査してみると亡くなった姉には負債しか残されていませんでした。
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