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今注目!理解して活用したい「任意後見制度」
司法書士法人コスモ 代表社員 山口 里美
■  任意後見制度って?
  成年後見制度は、既に判断能力が不十分な状態に陥っている方を保護するために用いられる「法定後見制度」と、将来自分の判断能力が十分でなくなった場合に備え、事前に契約で自身の後見人候補を定めておく、「任意後見制度」の2つに分かれる旨をお伝えしました。今回は、任意後見制度につき、もう少し詳しくお伝え致します。
  任意後見制度とは、まさにオーダーメイドの契約であり、更に大きく2つの類型に分類することができます。
【将来型】本人に十分な判断能力があり、契約締結時には、何らの財産管理の委任も行わない形態
【移行型】本人の判断能力が低下する前から受任者に財産管理を委任し、判断能力低下後に任意後見人としての契約の効力を生じさせる形態
  「将来型」は、任意後見制度の理想形とも言われておりますが、元気なうちに自分の将来に備えて、財産管理や身上監護に関することを信頼できる人に託すことを「予約」しておくものです。実際に、この契約が生きるのは、自分が認知症などを発した場合ですから、まさに、「保険のような」契約と言えます。
   一方、「移行型」は、「任意後見契約」と同時に「財産管理委任契約」を別契約として併せて公正証書で契約するものです。自分が元気であるうちから、この「財産管理委任契約」に基づき大切な財産の管理を信頼できる方に任せることが可能になります。この「移行型」は、特に身体に障がいを持っておられ、自分で金融機関や役所等に行くことが難しい方にとって便利な制度であるといえます。
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