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中小企業経営者への退職金準備の提案
1級ファイナンシャル・プランニング技能士 三井秀俊
「天下り抑止策!?」といわれる改正
  平成24年度税制改正により、退職所得の優位性の特徴であった2分の1課税に関する見直しが行われました。
   ◇退職所得課税の見直し   
   @ 役員退職手当等に係る退職所得の課税方法の見直し
  その年中の退職手当等のうち、退職手当等の支払者の役員等(役員等としての勤続年数が5年以下の者に限ります。)が当該退職手当等の支払者から役員等の勤続年数に対応するものとして支払を受けるもの(以下「役員退職手当等」といいます。)に係る退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置を廃止します。
  (注)上記の改正は、平成25年分以後の所得税について適用します。
  
  この改正の趣旨は、「退職所得については、長期間にわたる勤務の対価(給与)が一時期にまとめて後払いされるものであることや、退職後の生活保障的な所得であること等を考慮し、退職所得控除額を控除した残額の2分の1を所得金額とする累進緩和措置(以下「2分の1課税」といいます)が採られています。
  一般的に、短期間勤務の結果支給される退職金については、退職所得控除により課税が生じることは少ないと考えられますが、2分の1課税を前提に、短期間のみ在職することが当初から予定されている法人役員等が、給与の受け取りを繰り延べて高額な退職金を受け取ることにより、税負担を回避するといった事例が指摘されています。 このように、一般従業員の退職金とは相当に異なる事情にあることを踏まえ、勤続年数5年以内の法人役員等の退職所得について、2分の1課税を廃止します」というものです。
  したがって、長期勤続が前提となっている中小企業の経営者にとっては「退職金=退職所得」が税務的に優位であることに変わりはありません。しかしながら、中小企業の経営者のなかには勇退を考えているにも関わらず、勇退時退職金を全く準備していないことがよくあります。死亡時の死亡退職金・弔慰金は保険料の安い定期保険で準備しているものの、勇退時の退職金を積み立てる資金的余裕がないのがその理由です。
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