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法人契約の生前給付型定期保険
1級ファイナンシャル・プランニング技能士 三井秀俊
  生前給付型定期保険というと、従来は個人への提案が主流で、法人への取り組みはあまりされていませんでした。しかし最近では一部の保険会社が法人向け提案を行っているようです。今回は、法人契約における生前給付型定期保険のメリットについて考えてみましょう。
見舞金として支払えるのは「社会通念上妥当な額」まで
  個人向けの代表的な生前給付保障とは、三大疾病保障(ガン・急性心筋梗塞・脳卒中)になったとき、特定疾病保険金が受け取れる定期保険です。発売されてから20年以上が経過しますが、住宅ローンの団体信用生命保険にも三大疾病保障特約が付加できるタイプが増えています。その他には介護状態になった時や身体障害状態になった時に生前給付金が受け取れる定期保険もあります。
  個人契約の場合、生前給付保障特約の保険金は被保険者が非課税で受け取ることができますが、法人契約の場合は、受け取った保険金は益金に計上しなければなりません。そして受け取った保険金を役員に見舞金等として支払えるのは「社会通念上妥当な額」になります。
  この「社会通念上妥当な額」については、3万円程度と言う人もいれば、20万円程度まで大丈夫と言う人もいてその基準は非常に不明確です。このような理由から法人契約には生前給付保障はもちろん入院保障特約でさえ付加しないケースが多かったのです。
  ところが、一部の保険会社で提案が行われている生前給付型定期保険のセールスポイントは、保険料が全額損金でありながら保険期間の一定期間において相当な額の解約返戻金が受け取れるというものです。つまり、逓増定期保険や終身保障型がん保険の経理処理手法の改正後の全額損金型キャッシュバリュー商品として開発されたものと推察されます。
  そのため、この商品の取り扱いをしていない保険会社には「きっと近々、経理処理手法の改正が行われる」と考えている方も多いようですが、今のところ課税当局の動きは不明です。現時点ではむしろ法人税の減税の気配があるので全ての法人向け商品の提案においては税金面でのメリットから脱却し保障内容で訴求する習慣を身につけることが望まれます。
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