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3年ほど前、私が自家用車を買ったときのエピソードです。
当時、わが家は、妻の妊娠と、坂道の多い郊外都市への転居が重なり、すぐにでもクルマが必要な状況になりました。
私は自宅で働いていましたが、妻はまだ都心の会社に勤務していたので、最寄駅まで毎日送迎しなければならなかったのです。
そこで、私は以前に顔見知りになっていた鹿子島信夫さん(有限会社カー・リンケージ)に連絡を取って、「軽自動車の中古で、予算に近いクルマがあったら今日にでもいただきたい」と依頼しました。
ところが、鹿子島さんは、私の要望とわが家の事情をじっくりと聞くと、こちらの希望を否定しないようにしながら、こう助言してくださったのです。
「さしでがましいようですが……、奥様のご実家が○○(自宅から300キロ離れた地方都市)にあり、その往復に高速道路を頻繁にお使いになるのでしたら……、また、これからご家族も増えることを考えますと、もう少し排気量の大きなクルマの方がよりいいのではないかと思います。それに、軽自動車は人気が高いので、中古といえどもそれほどお値段が安くならないのです。当初の予算を多少超えても普通乗用車をご検討いただくことは可能でしょうか。通勤が大変だと思いますが、できれば少しお時間をいただき、私が自信を持ってお勧めできるクルマが見つかりましたら、それをご紹介さしあげたいのですが……」
そして、1か月半後、予算は少しオーバーしましたが、鹿子島さんはその言葉どおり、きわめて状態の良い、めったにないほどの掘り出し物を見つけてきてくれたのです。
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