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以前、ある生保営業の女性にインタビューをさせていただいたときの話です。
その女性はまだ20代でしたが、とにかく“きちんとした”人でした。
例えば、事前の連絡です。
ふつう、会社を窓口に取材を申し込んだ場合、セッティングは本社か支社のスタッフが段取りを付けてくださるので、ご本人とは現場で初めて会うことになります。
しかし、彼女は、当日の朝に、こちら側の窓口の人間に電話をしてきて「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶をしてくれました。とても珍しいことなので驚きました。
インタビューの際に感心したのは、彼女が、とても丁寧で、良い教育を受けた人の言葉づかいをしていたことでした。良い教育というのは、学歴には関係なく、“きちんとしていて教養を感じる”といった意味です。礼儀正しく、話していてとても清々しいのです。
極めつけは、取材後、数日して届いた礼状です。
それは、とてもきちんとした、こちらが畏まってしまうほど丁寧でマナーに忠実なお手紙でした。
私は当時すでに500人以上の営業関係者にインタビューをしていたと思いますが、記事掲載後ではなく取材の直後に、そこまで丁寧な礼状をくださった方は、ほとんど記憶にありません。
私は、それを見て、彼女の主な顧客が、大学教授やドクターなど社会的に地位の高い、比較的年配の男性が多いことを納得しました。
同僚たちが開拓できなかったある職場で、彼女一人だけ成績を上げていたというのもわかります。若いに似合わず、言葉づかいや礼儀がきちんとしていると、そのギャップからもファンになる人は多いことでしょう。
この話から、私が感じたことは次の3つです。
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