Home > 営業スキル > 営業の達人「いいね!」話

あきらめない姿勢が生み出すもの
有限会社T.S総合企画 代表取締役 津田 秀晴
  数年前、私がそれまで使っていたA社の携帯電話を、B社のスマートフォンに変えたときのことです。
  今ではそんなことはないでしょうが、スマートフォンが世に出て間もなかった当時は、携帯電話からスマートフォンに機種変更する際に電話会社が異なると電話帳のデータを移し替えるのが技術的に難しかったケースが一部にありました。まさにA社の携帯電話とB社のスマートフォンの場合がそうだったのです。
  事実、私がスマートフォンを購入したショップは、一晩預けて作業してもらったにもかかわらず、「申し訳ありません。やはり電話帳はコピーできませんでした……」とギブアップしてしまいました。
  一括コピーができないとなると、メールアドレスなどを1つひとつ手作業で入力し直さなくてはいけません。当時は、携帯電話用メールアドレスを、スマートフォンに変更後も継続して使うことができなかったので、私はそのスマートフォンを買ったことを後悔しつつありました。
  そんなとき、街で見かけた別のショップにふと立ち寄って、「こちらで買ったものでなくて申し訳ないのですが……」と困っている事情を相談したところ、男性スタッフが「わかりました。やってみますので、少々お時間をください」と言って快く対応してくれました。
  やはり作業には苦戦しているようでしたが、その男性は、どこかへ問い合わせをしながら格闘しています。「何とか解決したいので、もう少しお待ちいただけますか?」とこちらの予定を気にかけつつ、最後は数十分間かかりきりになって問題を解決してくれたのです。
  他にもお客さんがいらっしゃいますから、その合間を縫って私のスマートフォンに対応してくれたのですが、解決するまでに彼は午前中の大半をこの件で費やしてしまいました。
  すっかり恐縮した私が「ありがとうございます。おかげで助かりました」とお礼を言うと、その男性スタッフは、「いえ、自分のためにもなりますから勉強になりました」と爽やかな笑顔を返してくれました。
  私は、一流の営業マンにも共通する彼の対応について、次の点に感心し、感動を覚えました。
※ これ以降は会員専用ページです