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ささやかな贈り物に魔法をかけるひと言
有限会社T.S総合企画 代表取締役 津田 秀晴
  タレントの伊集院光さんがパーソナリティを務める『深夜の馬鹿力』(TBSラジオ:毎週月曜日 25時00分〜27時00分)という面白いラジオ番組があります。
  先月下旬の放送では、《お歳暮の贈り方の工夫》が話題になっていました。
  興味深い話だったので一部だけ紹介すると、伊集院さんは若い頃に三遊亭楽太郎師匠(当時。現在の六代目三遊亭圓楽)の弟子だった時期があるのですが、当時、一門では、若手であっても真打の師匠たちにお中元・お歳暮を決められた期間に手渡しで贈る――という決まりがあったそうです。
  しかし、若手はお金を持っておらず、また、落語の世界では下の人間が上の人間に高価な物を贈ることはむしろ失礼にあたります。そのため、暗黙の了解として、《一律1,000〜2,000円程度の品物に知恵と工夫でいかに付加価値を付けるか》が、落語家としてのセンスの見せ所であったといいます。この行為自体が《大喜利》のようだったというのです。
  例えば、伊集院さんの場合、1,000円分の年末ジャンボ宝くじを買って、お百度参りをしてから師匠宅を訪ね、「いつものご恩からすれば1億円をさしあげたいのですが、お金がありません。お百度をして参りましたので確実に当たると思いますので……」とシャレを利かせて手渡したことがあるそうです。
  この場合は、もしかしたら奇跡が起こるかもしれないという楽しみと、わざわざお百度参りをしてきたという言葉(シャレ)が、プライスレスの付加価値になるわけですね。
  こうした贈り物に関するセンスは、セールスの世界でもとても重要であって、事実、私の知人にも「贈り物名人」がたくさんいます。
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