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《いいことメモ》の効用
有限会社T.S総合企画 代表取締役 津田 秀晴
  先日、リビングテーブルの上に見慣れぬメモ帳が一冊ありました。
  何だろう? とパラパラとめくってみると、
誤解。その理由。
@……
A……
B……
C……
D……
  との文字。妻の筆跡です。
  内容は、夫婦ゲンカの要点が細かく記されているものでした。
  そういえば、以前、私の行動をめぐって珍しく大ゲンカになったのですが、原因となった一件は完全に濡れ衣であり、100%冤罪でした。そこで怒り心頭の妻に対してじっくりと、懇切丁寧に釈明したところ、彼女がその内容を箇条書きで書き残していたというわけです。
  ケンカの最中に何か書いているなとは思っていましたが、改めて読むと、そのメモ帳には私の主張が過不足なくまとめられており、ヘンなところで彼女の事務処理能力の高さに感心してしまった次第です。
  と、こんなところでほめても仕方ありませんが、今になって振り返ってみると、彼女のメモ録り行動が、早期解決への大きな役目を果たしていることがわかります。
  なぜなら、あまりに感情的になっているときには、相手の話が頭に入らなくなるので一度クールダウンしたほうがいいのですが、人間は感情の動物ですから、なかなかそうはいきません。
  しかし、お互いの話を書いてまとめようとすると、そこに客観的な視点が必要になってくるので、相手の言い分が理解できるし、頭の中も整理できるからです。
  もっとも、妻としては「話し合いの記録を残しておく」という大事な目的があったのかもしれませんが(笑)、後日に振り返りをするうえで大事なことです。
  さて、こんなみっともない私事から始めたのは、頭の中のことを紙に書き出して整理することの効用は、多くのトップ営業パーソンも語っていたことだからです。
  自分ではいろいろなことをきちんと把握しているつもりでも、実は、書き出して「形」として見えるようにすることで、整理のついていないこと、あるいは、忘れてしまっていることがいかに多いかを自覚できるのです。
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