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売れる秘密は声にあり
有限会社T.S総合企画 代表取締役 津田 秀晴
  最近、こんな話を耳にしました。
  ある食品メーカーでは自社工場の見学ツアーを実施していて、そこでは案内係の女性が見学者をグループ毎に引率するシステムを採っています。
  見学ツアーは企業広報の一環ですから、案内係のパフォーマンスには定期的なチェックが入ります。その際には、トレーナーが見学者のグループに交じって同行し、案内係の表情や立ち居振る舞いのすべてをチェックするのです。
  ところが、あるトレーナーだけはいつも柱の陰に隠れ、案内係の声だけを聴いているのだそうです。案内係の1人が不思議に思って理由を尋ねたところ、そのトレーナーは、「声を聴けばすべてが手に取るようにわかる」と答えました。
  もう少し詳しく言うと、トレーナーが聴いていたのは「笑声(えごえ)」が出ているかどうかでした。笑声というのは、文字通り「笑顔の“声版”」ともいうべきもので、そこには《明るさ、やさしさ、親切さ、わかりやすさ、ホスピタリティ》といった要素が詰まっています。
  そのトレーナーが「声だけ聴けばわかる」と言ったのは、聴こえてくる声が本物の「笑声」であれば、案内係の表情も自然と優しい笑顔になっている(顔が怖いままでは本当の笑声は出ない)からです。
  また、「笑声」が出ていれば、当然、立ち居振る舞いもそれに見合ったものになっているはずであり、全身からは優しいオーラが出ています。
  逆に、「笑声」が出てなければ(沈んでいる、不安である、不機嫌である等)、それがお客さんに伝わってしまい、案内の中で、親近感や信頼感、安心感は生まれません。
  また、声が聴きづらければ、お客さんも案内に集中できずそれぞれの思惑で行動したくなることでしょう。
  営業職とは違いますが、お客さんとのコミュニケーションが必要な職業にあって、《声の大切さ》がよくわかる話です。
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