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名画に学ぶ営業のヒントA〜幸せのちから〜
有限会社T.S総合企画 代表取締役 津田 秀晴
  名画に学ぶ営業のヒントの第2回は、実話をもとに制作された『幸せのちから』(DVD販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)。
  それはこんな話です(商品紹介文より一部抜粋)。
  もう少し補足しますと、主人公のクリス・ガードナー(=ウィル・スミス)は、完全歩合制の医療機器の営業マンです。しかし、この機械がくせもので、病院を訪ね歩いても全然売れません。
  貧しい暮らしからの脱却を渇望していた彼は、ある日、オフィス街で、裕福で幸せそうに見えたビジネスマンに「あなたの仕事は?その(成功の)秘訣は?」と声をかけたことから株の仲買人に興味を持ち、ある証券会社の「仲買人養成プログラム」の存在を知ります。
  しかし、その養成プログラムは、半年間の研修期間中は無給であり、なおかつ、正社員に登用されるのは定員20名のうちの1名だけ――という厳しいものでした。その日暮らしの主人公にとっては、とうてい受け入れ難い条件ですが、それでも彼は、果敢にチャレンジする道を選びます。
  そして、その結果は……といった話なのですが、これは営業マンが主人公の作品なので、読者の皆さんには、ここで余計な講釈は垂れずに、そのまま観ていただくのが一番のような気がします。
  これを観終えたときに、多くのビジネスパーソンは、主人公の頑張りに感動するとともに、大いなるヤル気と勇気が湧いてくるはず。特に、「自分はこの仕事でやっていけるのか?」と不安を抱えながらも、家族のために一生懸命に頑張っている(きた)方などは、涙なしには観られないでしょう。
  とはいえ、それでは連載として成立しないので、半ば強引ながらもできるだけネタバレをしないように、この作品から学べる点を整理してみました。
◆  自分が「これだ!」と思ったことは行動に移す
  実は、これ、前回もポイントとして挙げましたが、上手くいっている人には声をかけて素直に教わること、そして、「変わろう!」「やろう!」と決心したらすぐに行動に移すこと――を心がけるべきです。
  この作品の主人公も、養成プログラムへの参加を決めると、その会社の前で人材課長を待ち伏せし、理由をつけて一緒にタクシーに乗り込み、自分を養成プログラムに参加させてくれるように売り込みます。
  ちなみに、私がトップ営業パーソンや経営者の方を取材してよくお聞きするのは、「自分のノウハウを教えてあげると『参考になりました!』と言われるが、その後、実際にやってみて『こうなりました』と報告してくる人はほとんどいない」、「頭で考えて『無理』と判断して実際にやらない人がとても多い」という言葉です。
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